東京都の都立高校9校において、生徒指導要録の紛失が判明した。単位修得証明書の発行などに影響があるという。

都によれば、2009年3月で閉校となった都立九段高校において、1月末ごろ閉校に伴う生徒指導要録の点検作業を行っていたところ、1995年度か ら1997年度の全卒業生867人分の指導要録が所在不明になっていることが判明。その後も発見できず、3月27日に教育委員会へ報告した。

これを受け、都教育委員会は4月20日に全都立学校に対し、保管期間内の生徒指導要録の点検を指示。その結果、深沢高校、北園高校、八王子東高校、武蔵村山高校、北野高校など、あわせて528人分の紛失があらたに判明した。

九段高校や北園高校、北野高校の生徒指導要録については、関係者の話から、保管期限を過ぎた書類とともに誤廃棄の可能性が高いという。

さらに4月30日、あらためて生徒指導要録の保管状況を確認したところ、小岩高等学校、駒場高等学校、新宿山吹高等学校の3校で、指導要録の一部が所在不明となっており、管理状況などは現在調査を行っている。

教育庁では関連する高校に対し、卒業生や保護者を対象とした説明会を開催して経緯や今後の対応について説明するよう指示。再発防止検討委員会を設置し、管理体制の構築など対応を進める。

また、紛失した指導要録を再作成し、単位修得証明書の発行時など、学校長が証明書発行先へ事情を説明するなど、卒業生に不利益が生じないよう配慮を求めた。