秘密保持契約に含まれる情報はどこまで?具体的な範囲とメリットまで解説
本記事では、秘密保持契約の情報はどこまで含まれるのか、情報の範囲を決めるメリット・注意点を簡単に解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
秘密保持契約の情報はどこまで含まれる?
秘密保持契約を締結するに際して、以下3つを解説します。
● 秘密保持契約とは
● 秘密情報として取り扱いできる範囲
● 秘密情報として取り扱われない範囲
それぞれ詳しく見ていきましょう。
秘密保持契約とは
秘密保持契約とは、自社の秘密情報を開示する場合、その情報を指定している用途以外での使用や他者への開示を禁止するために締結する、商談や取引上での契約です。
一般的には自社の秘密情報の開示前に締結を行い、対象となる情報の内容などを明確にすることを目的に結ばれ、別名で「機密保持契約」とも言われます。
英語では「Non-Disclosure Agreement」と表記され、この頭文字をとって「NDA」と省略して呼ばれる場合もあります。
また、秘密保持契約のパターンは、取引をする二社双方が情報を開示する「双務契約」と一社のみが情報を開示する「片務契約」の2パターンです。
秘密情報として取り扱いできる範囲
秘密保持契約上での「秘密情報」とは、情報の開示者が情報を受け取る受領者に対して開示する情報の中でも、開示者が内密にしたい情報のことです。
秘密情報として、具体的に挙げられるものは次のとおりです。
● 自社の事業企画書
● 自社の顧客情報(名簿など)
● 自社商品情報(図面など)
● 自社商品・サービスのサンプル・試作品
● 自社商品・サービス仕様書
● 自社で利用しているシステム技術・情報
自社の顧客情報には、顧客の個人情報などの取扱いが難しい情報も含まれるため、秘密情報として取り扱われることがほとんどです。
秘密保持契約締結時には、このような項目を考慮し、秘密情報の範囲を決めましょう。
秘密情報として取り扱われない範囲
情報開示する会社側から開示される情報でも、「秘密情報」として取扱いできない項目が存在します。
秘密情報に含まれない情報として、具体的に挙げられることが多いものは次のとおりです。
● 秘密情報の受領者にとって既に公に知らされている情報
● 秘密情報の開示前に、受領者がオリジナルに開発した情報
● 秘密情報の開示後、法律違反せずに第三者から入手した情報
● 秘密情報の開示後、受領者の落ち度や過失に関わらず周知された情報
たとえば、秘密情報の開示後、開示者が講演会で参加者に秘密情報を話した場合、公に知らされたと認識され、秘密情報には該当しません。
秘密保持契約でどこまで情報を含めるのか決めるメリット
秘密保持契約で情報の範囲を決めるメリットは、以下3つです。
● 秘密情報の漏えいが防止できる
● 秘密情報の範囲を決められる
● 契約違反に基づき損害賠償請求ができる
各メリットを詳しく見ていきましょう。
秘密情報の漏えいが防止できる
秘密保持契約を締結すると、秘密情報の範囲の指定はもちろん、秘密情報の無断開示が禁止されるため、秘密情報の漏えいが防止できます。
予定していた用途以外での秘密情報の使用を禁止したり、取引終了後の秘密情報の返還や取扱いも規定可能です。
秘密保持契約を結ぶことで、契約上の義務を担うことになるため、当事者同士は高い意識を持って秘密情報の漏えい防止を心がけられるでしょう。
秘密情報の範囲を決められる
秘密保持契約を結ぶと、法律で定められている営業秘密より広範囲で、秘密情報の範囲を決められます。
一般的な営業秘密は不正競争防止法で守られていますが、企業が漏えい防止すべき秘密情報は営業秘密だけではありません。
また、どこまでの範囲を秘密情報として取り扱うかは取引企業によって異なります。
明確に秘密情報の範囲を決めることで、より一層、取引企業側からの秘密情報の流出を防げるでしょう。
契約違反に基づき損害賠償請求ができる
秘密保持契約を締結していれば、取引企業側の過失などによって秘密情報が漏れた場合、契約違反に基づき損害賠償請求が可能です。
秘密情報の漏えいによる損害は、とても大きな損失額に昇る可能性があります。
たとえば、顧客氏名や住所などの個人情報の流出がTVニュースで報道された場合、企業の評判と業績が低下することが予想されます。
また、営業秘密が漏えいした場合は、競合他社に商品が模倣され、自社商品の売上が低下する恐れがあるでしょう。
このように秘密保持契約を結んでおくと、秘密情報漏えい時の損害を最小限に抑えられます。
秘密保持契約でどこまで情報を含めるか決めるときの注意点
秘密保持契約締結にはメリットなどの良い面だけでなく、秘密情報の範囲を明確にしておくことや、情報開示の範囲を細かく設けておくことなどの注意点も存在します。
また、秘密保持契約を遵守できる情報管理体制を整えることが重要です。
たとえば、開示された秘密情報は、他の資料と混在しないように、秘密保持義務がある情報として企業で取り扱わなければいけません。
また、秘密保持契約の締結期間が終了し秘密情報を破棄しなければならない場合、適切に処理する必要があります。
秘密保持契約の情報をどこまで含めるかは慎重に決めよう
ここまで、秘密保持契約の情報の範囲、その範囲を決めるメリットと注意点をお伝えしました。契約締結時には、秘密情報の漏えいのために、どこまでを秘密情報をするのか慎重に決めなければいけません。
また、紙面で取り扱う秘密情報を処理する場合、任せる業者によっては情報が漏えいする恐れがあります。
このような情報流出を防ぐには、機密文書廃棄処理専門の業者に依頼するのが確実です。
創業してから85年間、情報漏れ0の実績を誇る当社にご依頼いただければ、安心して秘密情報を処理できます。
気になる方は、お電話・FAXまたはWebからぜひお申込みください。