機密文書とは、いったいどのようなものでしょうか。
多くの人は、外部にもらしてはいけない秘密の文書といったイメージをもつと思います。機密文書の定義は一般的に、重要で秘密にしておきたい情報が記載されている文書であり、機密が外に漏れた場合は大きな損害が起こりえる文書のことをさします。
英語では「confidential documents」と訳すことが多いようですが、機密文書はその重要度において、いくつかの分類に分けられます。
どのような分類があるのか、その意味と英語表記について解説していきます。
機密文書の分類はどのようなものがあるの?
機密文書は、その重要度によって「極秘」「丸秘」「社外秘」に分けられます。これらの重要度の違いは、情報が漏洩した際の影響度です。
どれも同じような意味合いに思えますが、どのような違いがあるのか、重要度が高いものから見ていきましょう。
極秘
「極秘」は機密文書のなかでも極めて高い秘密性をもちます。万一、外部に情報漏洩した際には損害がきわめて重大なものになる文書のことです。
そして、非常に限られた人間しか管理できず、絶対に漏らしてはいけません。
極秘文書のたとえとして、
・国であれば、国家機密や軍事機密の最高機密のような国益を損なうおそれのある文書
・企業にとっては、利益を著しく低下させたり信頼をなくす文書
のようなものが挙げられます。
丸秘・秘文書
丸秘・秘文書とは、極秘の次に機密度が高い分類です。関係者以外に知られてはいけない情報のため、人の目に触れないように慎重に取り扱う必要があります。
社外秘
社外秘とは、企業の内部で作成された文書で、企業の外部には漏らしてはいけない重要な情報にあたります。
極秘や丸秘文書よりも機密度は低いとされますが、社外に公開されれば企業に損害を与える可能性があるため注意が必要です。
英語ではなんという?
ここまで文書の重要度をご紹介しました。続いて、英語での表記について、見ていきましょう。
極秘
極秘は「Top secret」といいます。英語でも「Top secret」は、機密文書の中でも一番の重要という意味合いです。
丸秘
丸秘は「secret」です。小さな秘密から大きな秘密まで関係なく「秘密」というニュアンスで使われます。
公表されておらず、内密のものです。日本語では、丸秘の他に、秘密・シークレットといいますが、同じ意味になります。
社外秘
社外秘にあたる英語は「confidential」となります。「confidential」は秘密という意味です。
辞書には「信用のおける・頼りになる」という意味も載っています。つまり、信用のおける人にだけ打ち明ける秘密という意味です。企業内でも限られた関係者のみが知る秘密になります。
欧米での機密情報の廃棄方法
ここまでお伝えしたように、機密情報には様々な種類があり、取り扱い方法も重要になってきます。特に機密情報を廃棄する際は、情報漏洩に気を付けなければなりません。
日本は機密文書の廃棄方法について決まりはありません。処理方法として、文書を溶かす「溶解処理」と、裁断する「シュレッダー処理」の2種類あります。
溶解処理は、シュレッダーにかける手間を減らすため主流となっています。一方で、シュレッダー処理は、裁断の手間と時間がかかるマイナス面もあります。
欧米では、機密情報のシュレッダー処理が法律によって決められています。
万が一、機密情報が漏洩すれば、高額な罰金が課せられるので、廃棄にはとても慎重にならなければなりません。そのため、目の前でシュレッダー処理をする方法が主流となっています。
まとめ
ひとことで「機密文書」といっても、機密の重要度によって分類されます。情報化社会に生きる私たちだからこそ、機密文書の定義を理解し、しっかりと管理をしなければいけません。情報漏洩には最大限の注意を払い、気をつけることが大切です。
日本は、個人情報保護法により情報漏洩した場合の罰則は決められていますが、廃棄方法はすべて個人や企業にゆだねられています。日々増え続ける情報を正しく扱うために、日本と欧米の取り扱い方法の違いを積極的に知っておきましょう。