提案資料などを作成する際、社外や部外に漏れてはいけない重要な情報を記すことがありますよね。そのような情報が含まれている文書を「機密文書」といいます。
それでは、機密文書と分かるようにするには、どのように表示するとよいのでしょうか。また、社外に持ち出したり破棄するときには、どのように扱うのが正しいのでしょうか。
今回は、機密文書の表記方法と、取り扱う際に注意することをまとめてご紹介します。
機密文書の種類は?
機密文書と呼ばれるものは、主に以下の3種類に分けられます。
(1)極秘文書
(2)秘文書
(3)社外秘文書
(1)極秘文書
文書の情報が漏えいした場合、企業にとって多大な損失が起こりうるとされる、最も秘密保持の重要度が高い文書です。社内でも、閲覧ができるのは経営幹部などごく一部の人に限定されます。コピーや複製にも制限がある場合が多いでしょう。
(2)秘文書
極秘文書ほどの重要度ではないもの、極秘に準じた扱いをしなければならない文書です。個人情報・事業戦略・人事関連書類などが秘文書として扱われることが多いでしょう。社内でも限られた関係者しか閲覧できません。
(3)社外秘文書
社外に持ち出すことによって、会社に損失があるおそれのある文書です。基本的には社員しか閲覧することができません。
「部外秘文書」も社外秘と同等レベルの機密文書であり、規模の大きな企業では部署内などに閲覧が限定されます。企画書や顧客リストなどが社外秘・部外秘に定められることが多いです。
機密文書と分かるようにするための表記方法は?
機密文書は、ひと目見てその重要度が分かるように表記することが必要です。一般的にはいくつかの表記方法があります。
企業によっては、機密文書の管理規定が定められている場合もあるようです。文書を作成する前に、自社の規定を確認しておきましょう。
書類の右上に赤字で明記する
「極秘」「社外秘」「部外秘」など、重要度のランクを赤字で表記します。フォントサイズは、目につきやすいように大きめがいいでしょう。
「持出厳禁」「重要書類」なども赤字で表記する場合もあります。
また、関係者に確認してもらい、押印欄に印を押してもらうとより安心です。
wordで透かしを入れる
ドキュメントファイルによっては、背景に薄い赤色などで透かし文字を入れることができるものがあります。
「社外秘」「機密文書」「持出厳禁」などの文字を背景に入れることによって、文書を見る人へ機密文書の重要性を意識させることができるでしょう。
文書をデータ管理する場合、ファイル自体にロックをかけてパスワードを設定しておくことも大切です。
機密文書をメールなどで送るときに注意すること
基本的には社外に持ち出さないのが機密文書ですが、内容によってはやむを得ずメールや郵送で送付しなければならないこともあるでしょう。その際、気を付けておいたほうがよいことがいくつかあります。
メールに添付して送付する場合
機密文書をメールで送る場合は、暗号化することをおすすめします。
電子メールは、送信してから受信されるまでに、複数のサーバーを介して通信されます。その間、暗号化されていない情報だと、どこかで傍受されてしまう可能性もゼロではありません。
サーバーの通信設定や、メール暗号化システムを利用しましょう。安全性を高めることが、企業の信頼にもつながります。
郵送する場合
郵送する場合は、簡易書留か配達記録郵便を利用しましょう。
配達状況を確認でき、対面で配達してくれるサービスです。その際、あらかじめ送付する相手先にも受け取りの連絡をしておくとよいでしょう。
機密文書を破棄するときに注意すること
機密文書は、長い間保管しておくべきものが多いです。しかし、そうでないものもあります。不要になった文書はその時点で速やかに破棄しましょう。
機密文書を破棄する際、一般のゴミと一緒に捨ててしまうと、外部に情報が漏れてしまうおそれがあります。適切な方法で処理しなければなりません。
シュレッダーで細断する
少量の書類を社内で破棄したい場合は、シュレッダーを使って細断するのが一般的でしょう。オフィス用の電動シュレッダーなどであれば、家庭用よりは細かく細断することができます。しかし、完璧に読み取れないとはいえないので、注意が必要です。
廃棄物業者に溶解処理を委託する
大量の機密文書を破棄しなければならない場合、廃棄物業者に処理を委託するのが安心です。
ダンボール箱に文書をまとめて入れ、箱ごと溶解処理してもらえるサービスもあります。開封することなく破棄することができる業者もあるので、外部の目に触れることが心配な書類は依頼すると良いですね。
まとめ
機密文書の取り扱いには、注意すべきことがいくつかあります。
・ひと目見て機密文書と判断できるように、赤字での表記や背景に透かし文字を入れる。
・メールで送付する際は、暗号化する。郵送の際は、書留などを利用する。
・破棄する際は、シュレッダーもしくは専門の廃棄物処理業者に委託する。
機密文書は、取り扱いを間違えると、会社にとって大きな損失につながることもあります。適切な方法で、作成・管理・破棄することが大切です。