機密文書と呼ばれる書類には、企業にとっての大切な情報が詰まっています。
基本的には社外に持ち出さないとされている機密文書でも、取引先企業に持って行かなければならない状況もありますよね。
そんなとき、どんなことに注意を払えばいいのでしょうか。また、もし受け渡し予定の取引先企業で担当者が不在だったり、やむをえず担当者に直接手渡しできない状況の場合、どうするのが適切なのでしょうか?
今回はそんな冷や汗が出そうな状況での、適切な対処法をご紹介します。
機密文書を社外に持ち出すときに気を付けること
契約書や提案書を取引先企業に受け渡しに行くとき、その途中でもし紛失してしまったら取り返しのつかないことになります。
危機管理意識をしっかり持つことも大事ですが、万が一のために、紛失しても機密文書の内容が外部に漏れないよう、対策しておきましょう。
データで持ち出す場合
紙面に出力せず、文書ファイルなどで持ち運ぶ場合、USBメモリなどにデータを移すことになります。
パスワードロックの機能が付いたUSBメモリも販売されていますので、利用すると便利です。パスワードロック機能のないUSBメモリでも、ソフトウェアでメモリ本体に同じくロック機能を持たせることもできますよ。
データ自体にロックをかけて、ファイルを開くときにパスワードが必要な仕様にしておくのも重要です。その際のパスワード管理にも注意しましょう。
紙面で持ち出す場合
紙面に印刷された機密文書を持ち運ぶときは、鍵付きのアタッシュケースで持ち運ぶのが望ましいです。
丈夫なアタッシュケースであれば、セキュリティ対策はもちろん、雨天時に屋外で持ち歩かなくてはならないときでも、雨風で書類が汚れてしまうのを防ぐ役割も果たしてくれます。
普段あまりアタッシュケースを持ち歩かない人は、電車内での置き忘れや鍵の管理には十分注意しましょう。
担当者が不在の場合
基本的には、重要な書類は直接手渡し、双方で確認しながら打ち合わせをするものです。
しかし取引先に着いたら、事前にアポイントメントを取っていたはずなのに、行き違いで担当者不在ということもあるかもしれません。そんなときの対応も頭に入れておくと安心ですね。
代理の社員に預かってもらう
大きな会社であれば、担当者以外の社員に代理で預かってもらうことも可能かもしれません。
その際、代理の方には、預ける文書が重要な機密文書であることの説明と、確実に担当者に受け渡してもらえるように依頼をしましょう。
また、担当者に連絡がつき次第、代理の方に預けた旨を報告することも忘れてはいけません。
持ち帰って再度訪問する
機密文書の重要度によっては、やはり担当者に直接手渡ししたほうがよい場合もあります。図面や提案書など、その文書についての説明が必要なときや、確認の押印が必要な場合などです。
そのようなときは、預けずに一度持ち帰り、再度アポイントメントを取り直して訪問するのがよいでしょう。
取引先企業が休業の場合
取引先に到着したら、担当者だけではなく、企業自体が休業で誰もいないということもあるかもしれません。もしくは、中小企業や自営業で社員数が少なく、訪問しても誰もいない、という状況も考えられます。
そのような場合はどう対応するのがよいのでしょうか。
ポストに投函してもいいの?
原則として、ポストに投函するのはやめておいたほうがいいでしょう。
機密文書などの重要な書類は、基本的には直接受け渡しをするのがマナーです。重要な書類をポストに投函してそのまま帰ると、企業やあなたの信頼を失いかねません。
特例として、その場で担当者と電話などで連絡が取れ、ポスト投函の了承を得た場合のみ、投函させてもらいましょう。
持ち帰って、再度訪問もしくは郵送する
不在で、なおかつその場では連絡も取れない、という場合はいったん持ち帰りましょう。持ち帰った上で、再度アポイントメントを取り訪問するのがベストです。
また、取引先企業が遠方の場合は、担当者に確認の上、郵送するという方法もあります。
郵送するときは、配送を追跡できて、郵便物が受け取られたことが分かる郵送方法が好ましいです。書留や特定記録郵便などを利用するといいでしょう。
まとめ
機密文書を社外で受け渡す場合は、起こりうる様々な状況を考慮して対策を考えておきましょう。
・機密文書を社外に持ち出す際は、万が一に備えてセキュリティ対策を万全にする
・担当者が不在で代理の社員に預ける場合、確実に受け渡してもらえるように連絡する
・取引先企業が休業の場合、基本的にはポストには投函せずいったん持ち帰る
まずは事前にアポイントメントを取り、確実に直接受け渡しができるように連絡しておくのがベストです。
重要な業務だからこそ、想定外の状況に備えておくとより安心ですね。備えあれば憂いなしの精神で、万が一の状況も頭に入れておくことも、社会人としてとても大切なことです。