書類廃棄にかかった費用の勘定科目・仕訳方法とは?
溜まった書類はシュレッダーをかけて処分するのが一般的です。
しかし、溶解業者を利用して廃棄することで、確実にトラブルを防ぐことができます。
今回は紙の溶解業者について解説するとともに、かかった費用をどのような勘定科目を使って仕訳するのかをお伝えします。
書類廃棄に紙の溶解業者を利用する
まずは紙の溶解業者を利用した時のメリットやかかってくる費用を簡単にご説明していきましょう。
溶解業者のメリット
一般的に情報漏洩の事故は、紙媒体での漏洩事故が多いとされています。
重要な機密書類や個人情報を含んだ書類などを廃棄する際には、十分に気を使う必要がありますよね。
大切な情報を含んだ書類を廃棄する時には、信頼のおける紙の溶解業者を利用して廃棄しましょう。
情報漏洩におけるトラブルや事故といったことを防ぐことができますよ。
書類廃棄にかかる費用
溶解業者を利用するとなると費用が発生するので、勘定科目を使って仕訳をする必要があります。
業者やプランによって金額は異なりますが、少なくとも下記のような費用がまとまってかかってくるでしょう。
・書類を詰めるダンボール代
・回収費用
・処理費用
・廃棄証明書発行にかかる費用
溶解業者を利用し書類廃棄にかかった費用については、どの勘定科目を使って仕訳するのが正しいのでしょうか?
企業によって使用する勘定科目は異なりますが、使用することが可能な勘定科目を解説していきます。
書類廃棄の時に使う勘定科目とは
企業によってどの勘定科目を採用するのかは、基本的に自由です。
それでは、書類廃棄をした時に使うことができる勘定科目をいくつか挙げていきましょう。
勘定科目【雑費】を使う
雑費とは、他のどの科目にも当てはまらず、それほど金額が大きくない費用の時に使用する勘定科目です。
どの勘定科目を使用したらいいのか困った時に、雑費を使う方が多いのではないでしょうか。
しかし、「雑費でいいか」という安易な使い方をしていると、使い道が不透明になってしまいます。
あまりにも雑費の金額が大きい場合には、税務署に内容を問われるような事態になることもあるので、注意が必要です。
雑費として仕訳する際には、他の勘定科目を使用することはできないのか、必ず確認してから使用するように心がけてください。
金額が少額で、普段は発生しない費用であった場合には使用しても問題ないでしょう。
以上のことから、溶解業者を利用した際の書類廃棄にかかる費用は、雑費として計上して問題はありません。
ただし、年に複数回に渡って溶解業者を利用し、書類廃棄に定期的に費用がかかってしまう、または、費用が高額になってしまうような場合には、他の勘定科目を使うことをおすすめします。
勘定科目【消耗品費】を使う
消耗品費とは、金額が10万円未満で、使用できる期間が1年未満のものを購入した時にかかる費用を、仕訳する際に使う勘定科目です。
文房具、蛍光灯やケーブルなどは、消耗品費を用いて仕訳します。
また、商品を発送するのに使用するダンボール代は、荷造運賃という勘定科目を使って計上します。
一方で、書類を保管するのに使うダンボール代については、消耗品費を使うというところもあります。
同じダンボールであっても、用途によって勘定科目を使い分けることは珍しくありません。
ゴミ袋やゴミ処理券を消耗品費で仕訳しているのであれば、もちろん書類廃棄にかかる費用を一緒に計上しても問題ないでしょう。
一度決めた会計処理の仕方は、原則、変えることができないので、よく考慮したうえで、使用する勘定科目を決めることが望ましいです。
勘定科目【支払手数料】を使う
支払手数料には、銀行の振込手数料、仲介業者への手数料、証明書発行にかかる手数料など、その他さまざまな手数料を支払った時に使用する勘定科目です。
クリーニング代が定期的にかかる場合にも、支払手数料で仕訳します。
紙の溶解業者が定期的に収集にくる場合、毎月月額で費用がかかってくるような時には、こちらの支払手数料などの勘定科目を使って仕訳をしてもいいでしょう。
補助科目を使って明確にするのもアリ
雑費・消耗品費・支払手数料は、費用の中で一般管理費に属します。これらの勘定科目を使って、書類廃棄にかかる費用を振り分けることになりますが、補助科目を使用してさらに費用を明確にする企業もあります。
例として、新たに衛生費という補助科目を作るとしましょう。
「事業で出たゴミや清掃用品の購入、廃棄物にかかる費用などは、衛生費を使って仕訳をしていく」と決めます。補助科目を新たに作り、用途を細かく決めておくことで、何にどのくらいの費用がかかったのかをより明確にすることができるのです。
補助科目は自由に設定することができるので、ひと目わかるような名前をつけて置くと、経理の効率化に繋げることができます。頻繁に書類廃棄の費用がかかる場合には、補助科目を作ることも望ましいでしょう。
まとめ
紙の溶解業者を利用して書類廃棄した際の費用は、以下の勘定科目が選択肢として挙げられます。
・一時的かつ少額であれば【雑費】で仕訳する
・定期的に費用がかかる、または金額が高額である場合は【消耗品費】【支払手数料】などを使う
・新たに補助科目を作成し、費用をより明確にすることもできる
勘定科目は、必ずこれを使わなければいけないといった決まりはありません。企業によって、どの勘定科目を使って仕訳をするのかは異なります。
ポイントは、継続して同じ勘定科目を使っているかということです。一度採用した勘定科目は変えることができないので、よく考慮したうえで仕訳をするように心がけましょう。