【介護ロボットとAI】
近年、介護ロボットや介護のためのAIなど、技術の発展にともなってさまざまな用途・目的にあわせたロボットなどが開発されています。
ここでは、ロボット・AIが介護に与えるメリットと、ロボットを導入することのねらいについてご紹介します。
介護ロボットとは
介護ロボットとは、生活するために介護を必要とする人の補助、また介護する側の負担を軽減することを目的として開発されたロボットのこと。
「介護支援ロボット」「介護福祉ロボット」などと呼ばれることもあります。
介護ロボットというと、力仕事をサポートするものを思い浮かべることが多いですが、最近では高齢者の話相手となるAIなども多く開発されています。
介護ロボットのメリット
・介護スタッフの負担の軽減
ロボットの導入は介護する人の身体的・精神的負担を軽減することができます。
介護を必要とする人(要介護者)は大人が多く体重が重いため、抱きかかえたり支えたりしながらの移動は大きな負担を受けてしまいます。
特に着替えや入浴、トイレなどの介助は重労働です。
このような重労働に対し、パワードスーツや介護ロボットを導入することで、身体的・精神的負担を軽減させることが可能になるのです。
また、介護ロボットの力を借りてサポートすることで、要介護者にも「申し訳ない」や「恥ずかしい」といった感情を和らげる効果があります。
介護の負担が減ることにより、腰痛が原因で離職する人が減るだけでなく、「負担が少ないのなら介護をやってみたい」という人が増えて、人手不足の緩和につながると考えられます。
・人手不足の対策と認知症の予防
介護ロボットは肉体的労働をサポートするパワードスーツだけではありません。
AIを使って会話をすることで、認知症を予防させ将来発生する恐れのある要介護状態を軽減する可能性にもつながります。
介護予防ロボットというものの例として「パルロ」があります。パルロは認知症を予防することを目的に作られたロボットです。
インターネットが接続されており、クイズやゲームをしながらコミュニケーションをとることが可能です。
パルロの音声は5歳の男の子がイメージされており、利用者は孫の相手をしているような気分になれます。
このパルロの働きによって認知症が予防されれば、介護を必要とする認知症患者が減り、人手不足の軽減にもつながるのです。
介護ロボットで重要視されている分野
介護ロボットは次の目的に対して重点的に開発が進められています。
移乗介助機器:ベッドから車いす、車いすから車など介護者の移乗をサポートするもの
移動支援機器:歩行や荷物の運搬のサポート、立ったり座ったりする動作をサポートするもの
排泄支援機器:部屋に設置することで、その部屋にいながら便座に座って排泄する事をサポートするもの
見守り支援機器:通信機能やセンサーが搭載された電化製品あるいはロボットで、在宅介護で要介護者の状態を見守り、必要に応じて介護者に通報するもの
入浴支援機器:要介護者が入浴する際、浴槽へ出入りする動作をサポートするもの
介護ロボットやAIなど介護をサポートする機器は、さまざまな目的に沿って作られています。
これらの技術を効果的に活用することが、介護業界の人手不足につながると言えるでしょう。
介護ロボットはコストが高いという一面もあります。
今後は、開発側がいかに低単価で操作の簡単なロボットが生み出せるかという点が大きな問題になってくるといわれています。