三菱UFJ証券の元従業員が、約148万件の個人情報を不正に持ち出し、一部が名簿業者へ売却されていたことがわかった。名簿はすでに転売されており、三菱UFJ証券では流出先の特定やリストの回収を急いでいる。

同社では、3月中旬以降から同社顧客に対して業者による勧誘が行われていることから、顧客情報が外部へ流出したおそれがあるとして3月30日に事態を公表。その後調査を進め、個人情報の漏洩が判明した。

不正に持ち出したのは同社システム部の元従業員で、自宅に持ち帰った顧客情報148万6651人分のうち、2008年10月から2009年1月までに同社で新規口座や投信ラップ口座を開設した顧客情報4万9159人分を名簿業者へ売却していた。

流出した個人情報には、氏名や住所、電話番号、性別、職業、年収のほか、勤務先の住所や電話番号、部署、役職などが含まれる。同社の説明によれば、売却された4万9159人分以外の個人情報はすでに回収済みで、外部への流出はなかったという。

同社は売却先となった名簿業者3社に対して事情を説明し、名簿の利用や販売の中止について約束を取り付けた。また転売先についても名簿業者より情報提供を得て詳しく調べており、情報の使用中止や破棄など、被害拡大を防止するため対応を進める。

同社では警察へ被害を届けて捜査に協力しており、情報を持ち出した元従業員に対して告訴する方針。